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2021S/S COLLECTION
鬼島 幸秀 特別インタビュー
vol.2

-前回4月に続きまして、第2回目となる今回は5月発売分新アイテム解説インタビューとなります。
今期はスタートしてみていかがでしょうか??


鬼 おかげさまで購入者プレゼント企画や、アイテム解説インスタライブも開催できまして良いスタートを切れたんではないかと思っております。 ジップボンテージパンツは昔からのお客さんや、新規のPUNK愛好者の方にも支持を頂きあと僅かで完売です!


-出だし好調ですね。ジップパンツはあとどのくらいでしたっけ?


鬼 以外?といってはあれなんですが、レッドチェックのLからsold outをいただきました。ブラックの方が何でも合わせやすいかなとも思ってたんですが、 こういうのはそのものイメージが強いチェックも良いのかなと思いましたね!ちゃんと普段ライブハウスにたむろしているリアルPUNKSの方にご購入いただけたのが作ってみて本当に嬉しかったな。 僕ももちろんルーティンで2種類を履き分けてます。


-R-birthやコアチョコさんのTシャツ、バンドTシャツにバシッと来そうですもんね。


鬼 うん、シンプルもいいけどこういうのはパンツ自体に負けないくらいのTシャツで合わせてもいいですよね。僕は河本ひろし先生デザインTシャツにも合わせてよく履いてます。 そうだね、他にも往年のPUNK BANDのTシャツに合わせて革ジャン羽織ってくれたらくれたら製作冥利につきますね!本当に各サイズ残り1本なのでこれはオススメです!



-今期ボスの一角、ジップボンテージパンツはお早めに、ということで。さて先月の復習をしたところで今回はいよいよ2021S/S 第2陣がこの5月に発売となります。 ざっと紹介をお願いいたします。


鬼 まずはTシャツからかな。先月は3種類のリリースがありまして。今回は4種類目、5種類目が発表です。


-今回もKENTOOさんデザインのBUZZPOPS新作と、河本ひろし先生の新デザインですね!なにやら前回に負けないこだわりがありそうですが。。


鬼 じゃあまずBUZZPOPSから。この6年目を迎えるKENTOOさんと僕でやってるPUNK Tシャツブランド、BUZZPOPSなんですが、前回は011。そして今回は012が登場です。 年2種類の発売なのでBUZZPOPSはこれで今期の締めになるかな。まだ011を買ってない方はまとめて手に入れるのもいいかもね。 このシリーズは通常のR-birth別注デザインとは違い、KENTOOさん主導でグラフィックデザインをお願いしていますが、このラバーソールを履かせたいアイデアはわたしからお願いさせていただきました。


-鬼島さん、この靴一年中履いてません?


鬼 そうそう笑。ドクターマーチンとかコンバースのハイカットみたいなのは紐通してビシッと履くのに手間かかるけど、ラバーはすっと玄関から出ていけるから笑 重たい靴でね、たまにスニーカー履くと修行してたみたいな気分になるけど、これ以上かっこいい靴は存在しないと中学生のときから思ってます。

-KENTOOさんの描く女の子にラバーソールってのがまた可愛いですね!


鬼 俺の性癖的なもんだね笑 ちなみに今回のデザインはブラック生地Tシャツにそれぞれホワイトインクか、シルバーインクの2種類。 いっとき2000年代くらいにラバーソールがリバイバルして芸人さんとかもよくテレビで履いてた時代もあってね。ひねくれてその時はあんまり履かなかったんだけど、 N.YのハードコアバンドにCIVってオールドスクールスタイルなバンドがいるんだけど、Vo.のCIVがいろんなラバーソールを履いていて。シルバーのラバーソールも履いてたらしくてさ。 往年の本家PUNKのUK、さらにもっと昔のテディボーイというロックンロールの歴史に敬意を表していつもニューヨークのステージシーンででラバーソール履いてたの。 ラバーソールは50sはイギリス生まれだからね。格好はメロコアみたいな短パンにTシャツだけど足元はラバーソールっていうスタイルが一部にあったんだわ。 これに相当やられてね。ロックンロールに敬意をってのがファッションだけじゃないものを感じて本当にかっこよかった。 で僕もそれ以来、3588とかDACEの定番ラバーをまた履いて。あんまり人が選ばないシルバーのラバーソールとかもそういう理由で履いてるのよ。 なのでTシャツの話に戻すけど、インクはそういうスタイルや敬意の背景にあわせて靴の色を取り入れてみた。 ぜひこのTシャツを買ってくれた人はラバーソールにあわせて欲しいな。今高騰してっけど、頑張ってもらって笑


-ファッションだけでないロックンロールへの敬意のスタイルってのが意味深いですね! さてもう1種類の河本ひろし先生のTシャツについてですが。。


鬼 今シーズンのメインアイコンになってるデザインだね。前回につづき河本先生の騎士娘の別ポーズの2 版ずらしプリントデザイン。 こちらも前回と同じタイミングでデザインを納品いただいててどれも可愛くてかっこよくて。甲乙つけがたいから全てのデザインを使わせてもらいました。 同じくこちらも手捺染の名産地、京都にて高密度シルクスクリーンを製版してもらって。先生の微細な線をまつげ一本たりとも欠かさずTシャツに落とし込みました。 そして今回のTシャツにはシルクスクリーンハンドプリントなR-birthTシャツならではなお馴染みのあるギミックがあります。


-見た感じ、染み込みインクの上から別デザインをラバーインクでプリントされていますね。

鬼 さすが、いいとこ見てますね! そうそう。1版目は染み込みインクでプリントしてる。染み込みインクってR-birthの1版ものにもよく使われるんですが、正確には生地に乗せるんじゃなくて染めてるようなもんで。いわばこちらは染料。そして2 版目はラバーインク。隠蔽力が強くて。こちらは普段だと多版によく使うな。ラバーインクは生地に染み込むんじゃなくて生地の上で定着する。こちらは顔料だね。 染み込みインクは生地になじむのでプリント箇所は生地のサラサラ。ラバーはペトっとしてます。 で、ラバーインクの場合はみんなの持ってるTシャツもそうだと思うけど、経年変化で洗濯を繰り返すうちにどうしても伸びるニット地に乗せてるからクラック(ひび割れ)が起きる。 ビンテージ古着なんかもそうだけど、これまたシルクスクリーンTシャツの味なのでそれもまた良しなんだけどね。 でも普段のR-birth Tシャツもそうだけど、普通のTシャツプリント工程ってできるだけそのクラックが起こらないようにプリントしたインク部分に最後に高熱を当てて熱処理をするんですよ。 こうすることにより、水分をとばして生地にインクをしっかりと定着させるわけ。 このルールを逆手に取ったのが今作で。上から重ねた2版目のラバーインクはインク自体も濃度を微調整して、あえて普段よりも熱処理時間を短くしてる。 こうすることによって、すぐにラバーインクが取れたりはしないけど、あえてR-birthでも普段推奨してる《洗濯ネット洗い》はせずにそのまま洗濯機にぶちこんで洗濯を繰り返してると ゆーっくりとラバーインク部分がクラックしてくるとおもいます。でも1版目の染み込みインクはそのままなので、そこに差が出てきて。



-あぁ!2種類のちがったインク特性の差でこんな仕掛けを!シルクスクリーンを自らハンドプリントしているR-birthならではな。 最初からある程度見えてますが、イラストコンセプト的には騎士娘の子が敵からのダメージを受けて鎧が壊れて肌が露出し、焦り顔になってくるというエロチシズムな仕掛けがあるんですね。




鬼 そうそう、それが今回のギミックの大事なコンセプトです。 せっかくの元祖美少女漫画家、河本先生に頂いたオリジナルデザインだし、エロはきちんと入れてみたくて! まあそれでもこのラバーインク部分も何回洗っても完全に全部がなくなるわけじゃないし、これ以上取れたり割れるのが気になればご自分でプリント部分にバンダナをおいて上からアイロンを中温で2分程度かけてくれればその段階で定着するのでクラックも治まると思います。ゆっくりと経年変化を目でみて楽しめるTシャツですね!


-完全には剥がれないとのことですが、ある程度変化がわかるのはどのくらいの時間がかかりますか?

鬼 うーん、洗ってすぐにラバーインクのクラックはある程度出るんじゃないかな。でも販売前からうちでテストを繰り返していて、このTシャツを裏返さずに表のまま洗濯ネットに入れて、毎日洗濯機にそのまま放り込んで約1ヶ月経ってこんな感じ(上写真)。 ビキニの紐部分が一部無くなってます。推奨はしないけどガムテープあてて剥がす荒技でもそうそう取れないけど、まあこればかりは焦らずゆっくりと育ててやってくれたら楽しいんじゃないかな。


-基本的に安心して2版プリントのTシャツとして楽しんでいただけるということですね!


鬼 ですね!来年あたりにもしかしたらラブサミ再開したときにでも着てきてもらって、こんくらい味出てきました!って見せてもらえたら楽しそうですね。


-さて先日のインスタライブでもチラ見せしていたこちら!私も気になってる今期の最推しです。いよいよ、5月発売分の大ボスについてですが!



鬼 はい、作りましたよ!R-birth 初のオリジナルボディスウェットパーカー!!長かった。。。


-いろいろ聞きたいところですが、オリジナルボディのスウェットってすごいことをまたやってるんですが、なぜ作ろうかと。


鬼 スウェット作成の経緯に至ってから話すと、日本てさ、結局いつでも寒いじゃん。夏でもたまーに曇ってたりしてTシャツ1枚だけじゃうすら寒い日があって笑 冷房の強い店内とかさ。 だからよく考えたらスウェットなんてほとんど毎日きてるようなものでさ。革ジャン着る日は気合入れるけど、スウェットは家ん中とかパッと出かけるときにはこういうの1枚あるとわが国ではオールシーズン毎日便利だろうとずっと作りたかったんだよね。フードのついた僕の好きなフルジップパーカタイプのものを。 それでここのところ浸透してきたかな、R-birthのオリジナルウェアは安心のMADE in JAPANが絶対。でもスウェットって普通の縫製やってるとこだとなかなか作れないんだよ。メリヤスってか伸縮のあるニット製品だからね。専門工場の力が必要となる。そこで訪れたのはわが国のスウェットなどのニット製品の名産地、東京は江戸川区。 アロハシャツは京都の伝統技術、手捺染を使った。クラレンスのギャバジンJKTは尾州でオリジナル生地を紡いだ。革ジャンも関東ライダース専門工場を訪れ、皮革衣類専門職人のそれは丁寧な手仕事をしていただいた。 今回のオリジナルスウェットもR-birthオリジナルウェア開発としてそういう感覚をやっぱりなによりも一番大事にしたくて。 そこで訪れたのが、この千葉のおとなり東京は江戸川区でした。 江戸川区をはじめ、かつての東京、下町は幕末には西洋式の軍制が導入されて手袋や靴下の需要が高まって、困窮した下級武士や浪人によって手編みの内職がさかんに行われるようになっていったようで。 とにかくスウェットを含めたニット産業で有名地帯なわけ。いつものRYOくんが前に都内に住んでたとこと近くて。打ち合わせで2回ほどお邪魔したけどもこの千葉からでも割と近かったかな。 訪れた老舗スウェット専門工場が保有している《ユニオンスペシャル》という日本に台数も扱える職人も数えるほどしかない幻のビンテージミシンで今回のスウェットを縫製していただきました。 このミシンは往年の50年代〜70年代古着のヴィンテージスウェットで高値のつく往年のチャンピオンボディの縫製にも使われていました。 このユニオンスペシャルミシンでのフラットシーマという現代ではなかなか再現ができない特殊ステッチを用いて、ハギの縫い代が凹凸ない平らな状態となり、アンダーウェアみたいな丈夫で肌に負担なく着心地のよい着用感を現代に復活させることができました!


-R-birthにしてはカラーも珍しいというか。。


鬼 このグリーン系のコンビカラーはまあいろいろあるんだけどもね。生命力のミドリ、R-birthの再生という意味合いを表したりなんだり。せっかくイチからスウェットシャツをつくるなら、ほかにはない、みたいな色の組み合わせにしたいのもあったんだけどさ。単純にブルーデニムにも色的に相性良いでしょ。



-ラグランの切り替えやリブ部分の切り替えが効いてますね。ほかにも生地やパターン的にも今回も様々な工夫があるとか?



鬼 まずは先の理由でオールシーズン着れる生地を選択したんだ。初期案は市販品でいうとこの分厚い硬めでタフな12ozも検討したけど、真夏にはちょっと暑いし。ビーチでアロハの上に羽織るくらいいけて、春や秋はこれ一枚で十分。真冬はアウターの下にストレスなく着れる10oz程度のやわらかいパイル地スウェット生地を採用しました。これがさっきのフラットシーマ縫製が合わさり極上の肌触りを生み出しました。 あとパターン的には、フード部分をよくある市販品のパーカーより思い切って約2倍くらいに大きくした。市販品のフードってなんであんな飾りみたいな小ささなんだよっていつも思ってて。あれ、かぶっても全然フードとして機能してないじゃん。これは頭をすっぽり覆い隠して目深くかぶれます。生地も軽いから違和感ないし。格闘家のリングイン前にかぶってるイメージっていうと分かりやすいかな笑 ほかにも、前ポケットは市販品のジップパーカーだとマフポケットになってて、とにかくかがんだら入れていたスマホとかタバコなどの物がよく落っこちる。ケータイにヒビ入るし昔からすげえムカついてて。笑 なのでここは入れた物が落ちにくいスラッシュポケットで配置しています。 ほかにも、オリジナリティとして袖リブ前にポイントとして一度フラットシーマをつかって切り替えを入れてもらってます。アクセントでカッコいいでしょ。


-特徴的なラグランスリーヴも含めて徹底的にこだわり抜いてますね!

鬼 うちでオリジナルスウェットなんてそうそう作れるもんじゃないしね、超自信作です。肝心の値段もみんなにうちのTシャツに合わせて着てほしくて、ここまでこだわってるけどはっきりいって超安価に設定してます。だからうちのTシャツもたくさん買ってください。。苦笑

-さて5月発売分の商品解説はこんなところでしょうかね。またインスタライブも予定されていますよね?

鬼 よろしくお願いいたします。これがみんなに読まれる頃には日取りも決まるんじゃないでしょうか。GWが今年もどこにも行けない人もほとんどだろうし、その中でやりたいなとも思ってます、ぜひまたご視聴に来てください!

-では最後に5月のオススメは??

鬼 どれも結局は自信作なんですが、やっぱりオリジナルパーカーですかね。この時期ならすぐに即戦力で着用を楽しめると思います。昨年のKENTOOアロハや今期のTシャツも合わせてぜひ! あと、大好評の抽選プレゼントのマスクを補充しています。備考欄にプレゼント応募もお忘れなくどうぞ!

-ありがとうございました!それではまた6月のインタビュー、よろしくお願いいたします!

鬼 お願いします!


4/28 R-WORK-STUDIO工房にて
インタビュアー/森健(DARKING)


4月 6月